こんにちは、ここまるです。
不本意ですが、私は現在VDSLのマンションに住んでいます。物件情報の「光ファイバー」という記述に踊らされました。
正直、光回線と同じ値段を払っているのに速度が遅いのは素直に納得できません。
この記事ではVDSL方式の集合住宅に住むことになってしまった、住んでいる方への回線速度を確保する方法を紹介していきます。
VDSL方式とは?
マンションの建物までは光回線ですが、その先は一般電話回線(メタルケーブル)で接続するのが「VDSL方式」です。光回線ではありますが、電話回線に途中で切り替わるため速度が遅くなってしまいます。
VDSL方式の通信速度は上下最大で100Mbps。最大なので常に100Mbpsを出せるわけではありません。
一つの光ファイバーで引き込まれた回線をマンションの住人とシェアしているため、住民が多くインターネットを使用する時間帯では速度が遅くなってしまう欠点があります。
速度の目安
100Mbpsの回線速度で何ができるのか調べたところ、Googleヘルプに下記の目安がありました。参考までにどうぞ。
ダウンロード速度 | ||
---|---|---|
メガビット/秒 | 評価 | 速度の目安 |
100 Mbps 以上 | 非常に高速 | 同時に複数のデバイスで 4K 動画のストリーミング、友だちとのオンライン ゲーム、ビデオ会議が可能です。 |
50 Mbps 以上 | 高速 | 同時に複数のデバイスで 4K 動画のストリーミング、ビデオ会議、オンライン ゲームが可能です。 |
25 Mbps 以上 | 快適な速度 | 同時に複数のデバイスで、HD 動画の安定したストリーミングが可能です。 |
13 Mbps 以上 | 良好な速度 | 同時にいくつかの HD 動画のストリーミングが可能です。家族の人数が多くても比較的安定しています。少人数の家族に最適の速度です。 |
7 Mbps 以上 | 普通の速度 | 1 本の HD 動画のストリーミングが可能です。複数のデバイスで同時に動画をストリーミングすると、バッファリングのために中断する可能性があります。 |
3 Mbps 以上 | やや低速 | 1 台のデバイスで標準画質の動画を 1 本ストリーミングできます。 |
3 Mbps 未満 | 低速 | ウェブ ブラウジングには十分ですが、動画の読み込みが遅くなる可能性があります。 |
光配線方式との違い
VDSL方式との違いとしては、通信速度が段違いに速いことが挙げられます。理由としては途中で電話回線に切り替わらず、住居まで光ファイバーが引き込まれるためです。
「VDSL方式」と「光配線方式」の比較は下記になります。
- 各戸まで光回線を引きこめる
- 最大20Gbpsの回線もありとても速い
- 回線は住人とシェアする
- 最大でも100Mbps
VDSL方式のマンションに住んでみた感想
引越しでVDSL方式のマンションに住むことになりました。物件情報には光インターネットと記載されていたので、今までと同じく「光配線方式」で使用できると思っていました。
しかし契約先のプロバイダで引越し手続きをしたところ、以下のような連絡が。
すでに賃貸契約後だったのでもうどうすることもできませんが、実際には「VDSL方式」でした。趣味でオンラインゲームをするので遅い回線はショックでした。
VDSL方式でも快適にできること
参考までに私の環境は下記になります。
- プロバイダ:BIGLOBE
- 接続方式:IPv6/IPoE
上記の環境でスピードテストをした結果は次の通りです。
- 下り:86.98Mbps
- 上り:92.86Mbps
- ping:7ms
VDSLだと最大速度が100Mbpsなので、VDSL環境の中では良い部類に入ると思います。(IPv6だからかも)
この結果を踏まえて、私の環境で快適にできることは下記になります。
- ネットサーフィン
- 動画視聴
ネットーサーフィンをする中でWEBサイトの閲覧に関しては引越し前の光配線方式とほぼ変わりありません。Pinterestなど画像メインのサイトでも表示は速いです。
「Netflix」「Amazon Prime」といった動画配信サイトでも映像が途切れることは今のところありません。
「Youtube」「twitch」でライブ配信を視聴していると、10分に1度くらいの頻度で読み込みが一瞬発生しますが、視聴に関してほぼ問題はありません。
オンラインゲームは遊べるがFPSは厳しい
「Apex Legends」「VAROLANT」などFPSをよくプレイしていましたが、VDSL方式になってからはゲーム途中で接続が切れてしまったり、ラグやカクツキが発生するようになりました。
FPSやTPS、格闘ゲームといったジャンルは送信する情報量が多くなりますが、VDSLでは情報の送信が間に合っていないことが原因だと考えられます。
VDSLでオンラインゲームをする場合、一瞬の遅れが致命的になるランクマッチやレート戦など、勝ちを目的とした遊び方は正直厳しいと感じます。(友達とわいわいカジュアルに遊ぶのであれば許容できる範囲)
一方で、「Nintendo Switch」を有線接続で繋いでスプラトゥーンやスマブラを試してみましたが、こちらはラグも無く以前と変わりなく遊べました。
ラグや遅延はなぜ発生する?対策は?
ラグを抑え快適にオンラインゲームをするためには安定した回線速度とPing値が重要になってきます。
Ping値とはインターネット間の応答速度を意味します。単位は「ms」で、1msで0.001秒のラグ発生しています。
例えば、ping値が20msの場合は0.020秒のラグが発生しています。
数値が低ければ低いほど良く、ゲームのラグが発生しにくい状態になります。一般的に快適にゲームができるといわれるPing値は15msです。
VDSL方式は利用者が多い時間帯では速度が遅くなるので安定しづらいです。また、光配線方式と比較するとPing値も高くなってしまい、ゲームに遅延が発生しやすくなります。
オンラインゲームを楽しむため、改善策として挙げられるのが以下の2点です。
- 「IPv6 IPoE接続」に切り替える
- 戸建て向けの光回線を引き込む
詳しくは次の項目中で説明します。
回線を速くする改善方法
「IPv6 IPoE接続」に切り替える
回線の混雑が原因の場合、通信形式を「IPv4接続」または「IPv6 PPPoE接続」から「IPv6 IPoE接続」に切り替えることで通信速度が速くなります。
オンラインゲーム以外の用途で使用するなら、「IPv6 IPoE接続」にするだけでインターネット全般は快適になるはずです。
IPv6とIPv4、接続方式の違いについて
IPv6は、IPv4の後にできた新しいプロトコルで、大きな違いとしては「使用できるIPアドレスの数」です。インターネットの急速な普及の影響で、IPv4のIPアドレスが不足したためIPv6が誕生しました。
インターネットに接続している機器(パソコンやスマホなど)には、通常「IPアドレス」と呼ばれる識別番号が割り当てられます。IPアドレスを一言でいうとネット上の住所のようなものです。
IPv4が遅くなる理由としてはIPアドレスの不足による通信の振り分けで順番待ちが起きているからです。そこでIPv6からは順番待ちが起こりにくい接続方式の「IPoE」が加わりました。
詳しくは下のサイトに図解ともに解説があります。
現在の回線を確認する
ご自身の通信形式がIPv6接続か確認する際は、こちらのサイトにアクセスするだけで判断できます。
もしIPv6でなかった場合、ご利用中のプロバイダがIPv6接続に対応しているか確認してみてください。(基本的にはどのプロバイダもIPv6接続には対応しているとは思いますが。)
対応していたのにIPv6接続になっていないときは、以下の見落としがあるかもしれません。
- IPv6の利用開始手続きをしていない
- ルータ側がIPv6に対応していない
一度プロバイダのマイページなどから契約内容や設定を確認してみましょう。
光回線を引き込む
戸建てプランを契約して、光回線をマンションに直接引き込む手もあります。電話回線に切り替わらないので、「光配線方式」高速インターネットを利用できます。
この手を使う場合、引き込みの際の工事で外壁に穴を開ける可能性もあります。トラブルを避けるためにも管理会社や大家さんに必ず確認しましょう。
私も過去に光回線を引き込もうとしましたが、外壁に穴を開ける必要があったのであきらめました。その時契約しようとしていたプロバイダは「NURO光」です。回線の速度も申し分ないので、ゲームをする方にはおすすめです。
引き込み工事がNGなら、管理会社に交渉してみる
もし光回線の引き込み工事にNGが出てしまったときは、管理会社(大家さん)に交渉してみましょう。
- VDSL方式だと速度が遅く困っていること
- 今後入居した人にもメリットがあること
上記の内容を伝え理解を得られた場合、管理会社(大家さん)からNTTへ連絡してもらい光配線方式へ変更してもらいましょう。
それでもだめだったときは、NTT東日本リニューアルセンタに問い合わせてみましょう。営業のプロが物件側に交渉してくれはずです。
NTTとしてもVDSLから光配線への切り替えを進めているようなので、積極的に動いてくれると思います。
まとめ
以上、VDSLでの速度改善策でした。
VDSLで快適にオンラインゲームをする場合は下記を参考にしてみてください。
- 友達とわいわいカジュアルに遊ぶ → 接続方式を「IPv6」に切り替える
- ランクマッチなど真剣にゲームをする → 光回線を引き込む